野球？ → バドミントン！

昨年のぎふ国体 ダブルス優勝や、関東高校選抜大会で優勝された中西さんですが、バドミントンを始めたきっかけは。

母がママさんバドミントンをやっていて、一緒に練習場所の体育館に連れて行かれたのがきっかけです。最初は、他のお母さんと一緒に来ている子供たちと一緒に、半分空いている体育館で、新聞紙を丸めたバットとボールを使って野球をして遊んでいたんですけど、ある日からコーチが私たちにもバドミントンを教えてくれるようになって、野球も楽しいけどバドミントンも楽しいな！ って思ったのが始まりでした。

バドミントンの練習や試合では、どんな瞬間が楽しいですか。

始めたころは全然勝てなかったんですけど、続けるうちにだんだん勝てるようになってきて、そうなると楽しくなって、大会の決勝戦になると、たくさんの観客の前でプレーができるので、良いショットが決まると、とても気持ちが良くて（笑）。

観客が多いと、本当はシンプルなショットで決められるのに、あえてカッコイイ派手なショット打ちたくなったりしますよね。

はい時々（笑）。でもそういう時はコーチにしかられます。
あとは、ラリーが続く苦しい状況で、その苦しさを乗り越えてラリーを取った時、相手に勝った事と同時に、自分にも勝てた気がして、ああ、私成長したな！ って。そんな瞬間が大好きです。

大好きなバドミントンだからこそ、大好きなことで、誰よりも勝ちたいという気持ちが強いんですね。

負けたくないんです！ なんでも。それは体育の授業でやるバスケでも、バスケ部の部員にも負けたくないんです（笑）。私は４人兄弟の一番年下なので、小さい頃は何やっても勝てないじゃないですか。そんな事が影響しているのかもしれないです。

楽しく練習できる環境を求め大宮東へ

大宮東高校 バドミントン部の魅力は。

中学生の時、いくつかバドミントンの強豪校の練習に参加したんですけど、大宮東高校はキツい練習の中でもみんな明るく楽しそうにやっていて、それと一つ上の先輩に、世界ジュニアで日本人初優勝を成しとげた奥原希望さんがいて、私もここで一緒にやりたい！ って。参加したその日に、「監督、よろしくお願いします！」ってお願いしました。そんな魅力が大宮東にはあります。

ライバルや尊敬、目指している人はいますか。

私は奥原希望さんを尊敬しています。とことん自分を追い込んで、勝つためには何でもやる。バドミントンに向かう姿勢は本当にすごいし、昨年までダブルスを組ませてもらっていて、一番近くで学ばせて頂きました。だからいつか奥原さんと試合する日までに、しっかりと実力をつけることが今の目標です。

その日に向けて、今具体的に努力している事はありますか。

今は身長と左利きという利点を活かしたショットだけでここまでやってきているんですけど、アスリートとしてはまだまだ細いので、コートの中をしっかり動き回れるような体を作るため、しっかりトレーニングをしています。

ちなみに目標設定って、奥原さんなんでしょうか。

最終的にはオリンピックなんですけど、私はあまり先の事を考えると、今を見失いがちになってしまうので、今やるべき事をしっかりやったその先に見えてくると信じて、今を積み重ねています。

練習メニューはすべてが大切だと思うんですけど、特にこれは大切にしているというメニューはありますか。

スマッシュネットです。スマッシュを打って前につめて、また下がってスマッシュを打つというのを繰り返す練習なんですけど、バドミントンって守り抜いて勝つことが難しいスポーツなので、しっかりスマッシュを打って前につめるという攻撃的なプレーを大事にするため、この基本的な練習を大切にしています。

自分より強い先輩がいた時は試合形式の練習メニューでも自己成長につながりやすかったと思うんですけど、今、最上級生になり、下級生を相手にする立場になって、どう工夫していますか。

時期や対戦相手よっても違いますが、普段は自分の苦手なプレーを入れて試合するようにしています。

貴映ちゃんが部長で良かった！

中西さんは現在キャプテンですが、こんなバドミントン部にしていきたいとかってイメージはありますか。

大宮東高校バドミントン部には、「インターハイ団体出場」という目標があるんです。でも、経験者ばかりではなく、初心者で入部してくる人もいるので、入部当初は実力差がかなりあって、初心者からしたら途方もない目標だし、自分を見失いがちになると思うので、みんな一つになって目標を達成できるようにキャプテンとしてチームをまとめる事を大切にしています。

何か言葉をかけて、引っ張っているんですか。

大人から頂いた言葉とか考え方で自分がイイな！ って思ったものを自分の言葉におきかえてみんなに声をかけています。また部員からも自分の考えを言ってくれるので、しっかり聞いて自分の考えを伝えるようにしています。

好きな言葉ってありますか。

中学のコーチに教えてもらった「人として、選手として、応援されて信頼される人間になれ」という言葉です。中学まではいつも県大会で優勝していたんですけど、自分が勝つことだけを考えていた自分勝手な人間で、でもバドミントンだけ強くても応援されないんだなって感じて、それからは周りのこともしっかり考えるようにしたら、周りも自分に頼ってくれるようになって、自分も周りに頼れるようになって、信頼関係って大事なんだなって。

でも中学生の頃って、人のことまで考えられないですよね。

中学のバドミントン部は全員が初心者だったんですけど、私は負けたくなかったので、部活動とは別の場所で練習していたんです。でも試合は部活動の団体として出場するので、初心者相手の市の大会でも一回戦負けで、普段練習にも参加していないから他の部員とも打ち解けられなくて、でも最後の大会の時、みんなにも勝ちたい気持ちがあったんだって分かって、それなら自分が部活に行ける時間があった時、しっかりみんなと一緒に練習すれば良かったなって後悔して。その時に、もっと周りを見られる人間にならないといけないなって思ったんです。

その経験を高校で活かしているんですね。

はい。だから高校ではとことんぶつかり合いました。中学までだったら自分さえ良ければという気持ちが強かったので、たとえ空気が悪くても全く気にしなかったと思うんですけど、チームとして強くなりたかったので、問題と向き合い、仲間と話し合うことを大切にしました。そしたら最後の大会でインハイ団体に出場できて、みんなから「貴映ちゃんが部長で良かった！」って言ってもらえて、本当に幸せなキャプテンをやらせてもらいました。

高校時代の一番の思い出はインハイ団体出場ですね！

もちろん！ 大宮東はこれまでインハイ団体に出場できていなくて、奥原さんが卒業してしまった今年はもっと難しいだろうっていう周りの空気感が悔しくて、そんな中、高校生活最後のインハイの県予選決勝、２勝２敗でシングルスの自分にまわってきたんです。でも、対戦相手も強い選手だったので、弱気にもなったんですけど、仲間たちの必死の応援を感じて、これは絶対に勝ってインハイに行かないといけないなって思いました。だから最後勝ってインハイ出場を決めた瞬間、みんなで嬉し泣きして、観客席にいた応援団も、他の学校の高校生にも、「感動して泣いちゃいました！」って言われて、本当に幸せでした。

２年連続卒業式、校歌ピアノ伴奏♬

部活以外ではどんな女子高生なんですか。

学校だと周りが私を女子高生として見てくれないんです（笑）。中西＝バドミントンみたいな。学校以外だと、人ごみが苦手なので、休みの日は部屋で音楽をかけて歌ってます。最近だとHYとか、FUNKY MONKEY BABYSの「あとひとつ」って歌が大好きです！

音楽なんですね。ちなみに、なにか楽器はできますか。

姉と兄の影響でピアノが弾けます。

好きとか得意な曲ってありますか。

大宮東高校の校歌を弾くのが好きです！ 去年と一昨年の卒業式でも弾かせてもらいました。

今回のテーマが ” もう一つ上を目指すために工夫していることとは？ ” なんですが、中西さんが練習や試合、日常生活において何か工夫していることはありますか。

毎日寝る前にトレーニングをしています。インハイ前までは柔軟だけしていたんですけど、これからの私に必要なのは体作りなので、腹筋、背筋、スクワットをしてから寝るようにしています。●

最後に今後の目標と将来の夢を教えて下さい。

大学に進学する予定なんですけど、一年生でインカレを優勝して、その大会は全日本総合という一番大きな大会につながっているので、そこでベスト８に入ることが今の私の目標です。

ありがとうございました。