世界水泳金も、最初は一番苦手だった
渡部選手は4歳の頃、病弱な体を少しでも丈夫になるようにと両親がスイミングスクールに通わせ始めたのが始めたきっかけだそうですが。
はい。始めた頃は水を嫌がっていたそうなんですけど、泳げるようになってからは水泳が楽しくて、気がついたら選手コースで活動していました。
水泳というと、クロールやバタフライ、背泳ぎなど様々な種目がありますが、当時はどの種目が好きでしたか。
クロールと背泳ぎです。特に深い理由は無いのですが、クロールは一番簡単でしたし、背泳ぎはいつでも息が吸えるので好きでした(笑)。
2015年8月にロシアで行われた世界水泳では、200m平泳ぎで見事金メダルを獲得されましたが、水泳を始めた当初は平泳ぎが苦手だったそうですね。
はい。始めた頃はクロールなどと違い、平泳ぎはなかなか前に進まない感じがあり苦手でした。でも中2の時、全国中学校水泳大会(全中)で100mと200m平泳ぎに出場する事となり、苦手な種目で長距離を泳ぎ切るにはどうしたらいいだろうと考え、1回のストロークで長く距離を伸ばして泳いだんです。そうしたらビックリするくらい良い記録が出て。
中学高校時代というと、多くの事に興味がある時期だと思うのですが、水泳以外にやってみたい事はありましたか。
小さい頃から泳ぐのが大好きで水泳一筋だったので、その他の習い事などにはまったく興味が無かったです。
ちなみに、水泳のどんなところが好きですか。
練習はキツイので好きではありませんが、泳ぐのは始めた頃からずっと好きなので続けられているのだと思います。水泳のどこが好き? と質問をよく頂くのですが、難しいんです。ただ水の中にいるのは何よりも好きですね。
中学高校時代の嬉しかった思い出というと何でしょうか。
中学では、中2の時の全中で100と200の平泳ぎで優勝した事。高校では、高1の時にロンドンオリンピックに出場した事で、高校3年間全体を通して、大好きな水泳に関する全ての環境が良い形に変化した事が嬉しかったです。
高1でオリンピックに出場した事で、改めて自覚を持って取り組んだことなどはありますか。
オリンピックを意識して取り組んだ事はありませんが、ロンドンでは悔しい思いをしたので、次のオリンピックに出場する時は、こんな思いをしたくないなと思い、少しでも良い結果を出せるよう練習をしっかりがんばっています。
中学高校時代、つらかった思い出はありますか。
高校生の時は、月曜日から金曜日までJISS( 国立スポーツ科学センター)に泊まって練習をしていたので、実家に帰れるのは週末だけでした。JISSの宿泊所は個室なので、誰ともおしゃべりする事が出来なかったので、家に住んで家族と一緒に楽しくおしゃべりをしたかったです。
水泳漬けの中高時代、水泳以外ではどんな女子高生でしたか。
基本めんどくさがり屋なので、部屋でだらだらしている事が多いのですが、買い物は好きなので、時間が出来たときは一人でも出かけたりしていました。
2015年4月より早稲田大学に進学され競技を続けていますが、高校時代、勉強もがんばったんですか。
高校生の頃より、今の方が勉強しています(笑)。スポーツ科学部なので、スポーツの事や健康の事など、スポーツ全般幅広く勉強をしています。
6000~7000mを1日2回泳ぎます
現在、渡部選手が掲げている目標は何ですか。
「 オリンピックでメダルを獲る」など、そういう目標ではなく、私の場合は、今年の結果が良かったので、来年も良い結果を出せるようにがんばろう! など、近い目標を立て、そこを目指して練習を重ねています。小さい頃からずっとそうやってきたので、今もそのスタイルは変わっていません。
練習など、特別に何か取り組んでいることはありますか。
一回一回の練習を無駄にしないように意識して練習をしています。泳いでいる時も、腕の筋肉が疲れた時は、背中など違う筋肉を使ったり、少しでも良い泳ぎが出来るようにしています。
上達するためには、キツイ練習がつきものですが、上手に向き合うコツはありますか。
オンとオフの切り替えを大切にしています。
ちなみに一日の練習量はどの位なんですか。
1回に6000から7000mを一日2回です。
かなりの練習量ですが、毎日のキツイ練習や納得のいかない試合結果などで、競技を辞めたいと思ったことはありますか。
無いですね。思うような結果が出なかった時もすぐに忘れてしまうので、次がんばればいいかな! と思うくらいです(苦笑)。
最後に部活に励む中高生にメッセージをお願いいたします。
勉強もスポーツもオンとオフの切り替えを大切にして、納得のいく良い結果につなげてください!
ちなみに、渡部選手にとって、こんな ” 男子はカッコイイ! ” と思えるような理想的な男子像はありますか。
何事にも真剣に取り組んでいる男子はステキだなーと思います(笑)。
ありがとうございました。