YELL 部活応援プロジェクト [エール]

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2007年5月~2018年3月、日本を代表するトップアスリートのインタビューはこちら!

市川 華菜

陸上短距離 100m / 200m : ミズノ

今回のアスリートインタビューは、2012年 ロンドンオリンピック・4×100mR 代表の、市川華菜選手です。中学、高校、大学、そして社会人となった今もミズノに所属し、オリンピックでのメダル獲得を目指し活動する市川選手に、自身の中高生時代のお話や、陸上の魅力や楽しさについて、そして全国の中高生部員に向けてアツいメッセージをいただきました。

市川華菜選手の、陸上を始めたわけ

市川華菜選手は中学時代に陸上競技を始めたそうですが。

小学生の時はバスケットボールと水泳をやっていたのですが、中学生になった時に、母から「華菜は走るのが大好きなんだから陸上部に入ってみたら!?」と言われたのがきっかけで始めました。

市川華菜

バスケや水泳より、陸上に興味がわいたのですね。

本当はバスケットボールが好きだったので、バスケ部に入りたかったのですが、母から、「団体競技のバスケより、個人競技の陸上の方が、活躍できるんじゃない!?」というアドバイスを頂き、そうかも! って(笑)。

市川華菜

陸上競技と言うと、短距離から長距離、跳躍、投擲まで、数多くの種目がありますが、最初から短距離だったのでしょうか。

始めた頃は幅跳びだったんです。小学生の時、秋になると陸上大会があって、100m走に出場したかったのですが、短距離走のスタート時に足をおくスターティングブロックが錆びていて、上手に調整できないでいたら、先生から、もう走らなくていいと言われてしまって、仕方なく幅跳びで出場したんです。だから中学で陸上部に入ってからも、幅跳びをやっていました。

市川華菜

中学時代は、幅跳び専門だったんですね。

一年生の時は幅跳びだったのですが、中学2年生になった時に、陸上を専門で教えられる先生が赴任してきて、その先生から、「市川は200m走が向いていると思うからやってみたら。」と勧められて始めたみたら、一気にタイムが伸びたんです!

市川華菜

ところで、高校時代は色々なことに興味が湧いてくる時期だと思うのですが、陸上以外に興味を持ったことはありますか。

本当は、運動部の マネージャーとか、チアをやりたい!って思っていました。でも、陸上部推薦で入学してしまったので、自然と陸上一筋の高校生活を送っていました(笑)。

市川華菜

とは言え、中学、高校、大学、社会人と、ずっと陸上競技を続けられ、ロンドンオリンピックにも出場されていますが、陸上競技のどんなところに魅力を感じ、好きで続けています。

陸上は何と言っても記録を伸ばすことが楽しいです。でも一生懸命工夫して練習をしたとしても、コンスタントに記録が伸びるわけでも無いんです。私も2年くらい記録が伸びない時期があってとても苦しかったのですが、その分、記録を伸ばしたときは、本当に嬉しくて楽しいです!

市川華菜

高校時代の嬉しかった思い出というと何でしょうか。

インターハイにリレーで出場したことです。当時、私の入った高校は、私たちの学年から陸上部推薦が出来たので、先輩たちはみんな、陸上ですごい成績を残しているというよりは、陸上が好きで活動している人たちばかりで、強豪校では無かったんです。だから、先輩や後輩、仲間たちと一緒にインターハイにリレーで出場が決まったときは、とっても嬉しかったです!

市川華菜

インターハイに出場すような強豪校というと、練習もかなり厳しいイメージがありますが。

入学した当初は、かなりキツイ走りこみの練習をしていたのですが、陸上の場合、それがあまり良くなくて、かなり多くの部員がケガをしてしまったんです。結局のところ、みんな自分からやろう! という意識ではなく、コーチからやらされている・・・というネガティブなスタンスになってしまっていました。それからは、練習方法や練習に対する意識を変え、インターハイに出場する! という目標のもと、自分たちでキツイ練習も工夫して取り組むようになったので、苦しい練習もポジティブに取り組めるようになりました。

市川華菜

自らが積極的に取り組むことで、記録も伸びたんですね。

はい。それからは、チーム全員、すごく記録を伸ばしていきました。

市川華菜

陸上漬けの高校時代、部活以外ではどんな女の子でしたか。

お休みの日は、友だちと買い物に行ったり、部活帰りにご飯を食べたりして普通の女子高生だったのですが、文化祭が大会と重なってしまって参加できなかったので、少し残念でした。

市川華菜

高校時代の将来の夢はなんでしたか。

将来は美容師になるのが夢でした(笑)。美容師は、人と接する仕事で、しかもオシャレなので、憧れていました。

市川華菜

あこがれのキャンパスライフから一転

将来は美容師になる事が夢だった市川選手ですが、大学でも陸上を続けていこうと思ったきっかけは何ですか。

高校2年生のとき、リレーでインターハイに出場する事はできたのですが、個人で出場することは出来なくて、それからは、個人でも出場したいと思い練習に取り組む様になりました。そして3年生のインターハイでは個人でも100mと200mに出場する事ができ、陸上の楽しさを知ってしまい、大学でも続けたいなと思っていた時、自宅から近所にある大学の陸上部の先生からお誘いを受けた事がきっかけで続ける事になりました。

市川華菜

そうなると、もう本気ですね!

いえ。当初は美容師に憧れていましたが、陸上で大学に入学したら、キャンパスライフを楽しもうと思っていました(笑)。

市川華菜

ちなみに、市川選手が思い描くキャンパスライフとはどんなイメージだったのですか(笑)。

オレンジデイズという大好きなドラマがあって、授業の後、みんなで遊んだり、キャンパスライフってそんな感じかなって思っていたんです。でも実際はまったく違っていました(笑)。

市川華菜

どう違ったのですか?

大学に入学して1週間くらいは、キャンパスライフを満喫する気満々だったので、部活もジョグだけして帰っていたのですが、すぐにコーチに見つかってしまって、「明日からマンツーマンで見てあげるから、朝練から来なさい!」と言われ、それからは、朝練だけでなく、空いた時間は全て陸上の練習になってしまい、一日5部練とかやっていました。

市川華菜

思い描いたキャンパスライフではなくなりましたね(笑)。

はい。高校生の時よりも一日中、陸上漬けでした(笑)。

市川華菜

ところで、活躍の場が広がると、中学や高校の部活とは違った困難があると思いますが、どのように乗り越えていますか。

中学や、高校、大学では、楽しいという気持ちだけでやっていた部分が大きかったのですが、大学1年生の時に、オリンピックで活躍できる選手を育成するナショナルチームの一員になってからは、陸上が楽しいという気持ちだけでは無く、結果を出していかなくてはならないので、苦しいことも多々ありました。でも、陸上競技をやっている日本の全ての選手の代表として世界で戦う自覚を強く持ち活動するようにもなりました。

市川華菜

市川選手は、社会人となった今も、ミズノに所属しロンドンオリンピックに出場するなどアスリートして活躍されていますが、学生時代とどのような環境や心境の違いがありますか。

ミズノの社員として、お給料を頂きながら、アスリートとして活動させて頂いているので、学生の頃とは違った責任感を感じます。入社1年目の時は、私自身の中で変にそれをプレッシャーに感じすぎてしまっていた事があったのですが、会社から、そんなに気にしないで自分らしく活動して大丈夫! と言ってもらえて、それからは、焦らず一歩一歩積み重ねています。

市川華菜

市川選手にとって、現在の目標というと。

まだリレーでしか世界の舞台で戦ったことが無いので、今は、個人でも世界で戦える実力をつけて、高めた個の力を団体のリレーで活かせられたらと思う気持ちが強くなっています。

市川華菜

今以上に世界で戦えるよう、工夫している事はありますか。

今は、400mリレーと1600mリレーをやらせて頂いていて、スピードだけでなく持久力も必要になってくるので、どちらもバランスよく強化できるよう取り組んでいます。

市川華菜

市川選手から中高生へのメッセージ

上達するためには、キツイ練習がつきものですが、上手に向き合うコツはありますか。

コーチからやらされてイヤイヤやる練習より、自らが一つ一つの練習に対して、意味を考え工夫して、積極的に取り組むことが大切だと思います。

市川華菜

短距離走のスタート前の選手を見ていると、すごい緊張感があるのですが。

どちらかと言うと、試合前日のほうが緊張しています。スタート直前は、逃げ場が無いので、緊張というよりは、やるしかない! という気持ちになっていますね。

市川華菜

緊張というよりは集中力を高めるイメージですか。

緊張を超えると、何も聞こえなくなるんです。周りの選手も全員が集中しているので、つられているのかもしれません。

市川華菜

最後に部活に励む中高生にメッセージをお願いいたします。

まずは今の自分の実力を伸ばせるよう、目の前の事を大切に、一つ一つクリアしてもらえればと思います。そして、高校生にとっては、一番大きな大会がインターハイだと思うので、それに出場できるよう、がんばって下さい!

市川華菜

ちなみに、市川選手にとって、こんな ” 男子はカッコイイ! ” と思えるような理想的な男子像はありますか。

何でもいいので、がんばっている男子はカッコイイです! 一生懸命打ち込んでいる男子の姿はステキですよね(笑)。

市川華菜

ありがとうございました。

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