(取材・文・写真/小山基彰)
1.フープダンスってなんですか?
フープダンスの第一人者として活躍中のMixさんですが、フープダンスとは、どのようなスポーツなのでしょうか。
フープダンスとは、曲に合わせながらフラフープを使って踊るスポーツなんですが、日本では、フィットネス感覚のフープエクササイズとして広まってきています。
フープダンスをする人は、なんて呼ばれるんですか?
フーパーって言われています。また、フラフープをやることを、フーピングって言うんです。
フーピングしている人には、「あなたフーパーだねー!」って言ったりします(笑)。
Mixさんのホームページで、映像を拝見したんですが、シルク・ドゥ・ソレイユみたいでした! 体にフラフープがくっついているんじゃないかって思うくらい(笑)。 ところで、フープダンスを始めようと思った切欠はなんだったんですか。
フープダンスって、みなさんが知っている、おなかのまわりをグルグル回すだけのフラフープのイメージとは少し違うんです。私も一番最初にフープダンスを見たのは、マドンナのライブのメイキング映像(ほんの2~3秒)だったんですけど、それを見たときは衝撃的でした! 新体操とも違うし、サーカスとも違うし、なんだこれ!!って(笑)。
僕が小学生の頃、学校にフラフープが20本位入って、休み時間によくフラフープをやった記憶があります。でもフープダンスは、そのフラフープとは、まったく違った感じですよね。
一番初めに日本でフラフープがブームになったのが50年前位らしいのですが、その時は世界中で1億本売れたそうです。でも、フラフープをやると、腸捻転(ちょうねんてん:腸が捻れることにより腸閉塞を起こす病気)になるという誤報が流れ、一気にブームは終わってしまったそうです。
日本人って、熱しやすく冷めやすいところがありますからね(笑)。
そうですね(笑)。 でも、フラフープって本当に身体に良いんですよ。特に、ウエストを引き締めたいと思っている人にはおススメです。
映像を見て感じたんですが、フラフープをゆっくりとした動きの中で回すって、スゴイですよね。
よく目にするフラフープって、実はおもちゃなんです。本当のフラフープは、重たくて、分厚くて、弾力のあるものなんです。500グラムもあるんですよ。
(フラフープを持って) あっ。けっこう重いですね。そしてかなり大きいですね。僕が小学生の時に使っていたフラフープとは、まったく別物ですね。
それは、コンパクトフープって言って、持ち運びに便利な、折りたたみ式になっているので、700グラムと少し重めになっています。でも、重いほうが回しやすいし、ダイエットなどのエクササイズにも向いているんです。サイズも、大きいほうが回しやすいので、初心者にはおススメです。
2.中学時代は、バスケットボール部
Mixさんの中高生時代のお話をお伺いしたいのですが、部活は何部だったんですか。
小学校2年生の時から卓球をやっていたので、最初は卓球部に入部しました。また、小学校4年生から、クラブチームでサッカーもやっていたので、学校の中では卓球部、外ではサッカーと、最初は二つスポーツを掛け持ちしていました。
スポーツ少年というのはよく耳にしますが、Mixさんは、スポーツ少女だったんですね(笑)。
そうですね。小さいころから身体を動かすのが大好きだったんです(笑)。 でも、兄がバスケ部に入っていて、その顧問の先生が、「なんで、妹をバスケ部に入れないんだ!」って言ってくれていたので、卓球部もサッカーも辞めて、中1の2学期からバスケ部に入部したんです。
でも、小さいころから続けていた、卓球とサッカーを辞めてしまうのは、もったいないですね。大会での成績はどうだったんですか。
卓球は、1年生の入部してすぐに、都大会に出場したんです! 陸上でも、区の体育大会で、大会新記録を出したりして、スポーツだけは、私にとって譲れない部分なんですよ(笑)。
バスケ部に入部して、どうでしたか。
入部も2学期からだし、バスケは初めてだったので、他の部員よりも遅れていたので、部活後や休日も、一人で、母校の小学校に行って、ひたすらレイアップ(リングにボールを置くように放つシュート)の練習をしていました。
チームとしてはどうだったんですか。
部活に力を入れている学校だったので、区レベルでは、そこそこ強かったです。
3.高校時代も、バスケットボール部
高校時代は、何部だったんですか。
中学校の先生が、「高校に入ったら、陸上部に入りなさい。」と言ってくれたんですが、ボールをつきながら走る楽しさを知ってしまったので、なぜか、とても強いバスケ部の高校に入学してしまったんです(笑)。
そんな強いバスケ部だと、スポーツ推薦で入部してくる部員ばかりですよね。
そうなんです。女子なのに、みんなボディービルダーのようにマッチョで、5人しか出られないのに、50人以上部員がいるような部活でした。
Mixさんは、どうだったんですか。
3年間で、一度だけユニフォームを着たことがありました。部活の中で、Aチーム、Bチーム、Cチームと、一軍、二軍のようにわかれているんですけど、私はBチームだったんですが、たまたまユニフォームが一枚余った時があって、Bチームの中で一人だけユニフォームを着れるということになって、一番シュートの成功率の高い私が選ばれたんです。
でも、シュートが上手って、それだけでスゴイじゃないですか。サッカーでいうところの、ストライカーみたいなものですよね。
シュートだけとか、一対一とか、走るとか、一つの事だけをやらせたら、レギュラーに負けないくらい上手なんですけど、トータルするとダメなんです(笑)。 でも、今フープダンスをやれているのは、レギュラーになれるような選手でなかったからなんです。レギュラーでなかったから、高校の3年間、ずっと基礎練ばかりやっていて、それが今に活きているんだと思います。
なるほど。個人としてのテクニックはあったけれど、チームの中で、その力を発揮することがむずかしくて、それが、後々、フープダンスを始めるきっかけになったって事なんですね。
はい。バスケが上手な選手は、実業団のチームに入って活動することになるんですが、私は、チームの中で、バスケの実力を発揮できるタイプの選手ではなかったので、卒業後はフリースタイルのバスケをするようになったんです。
バスケのフリースタイルとは、どんな競技なんですか。
音楽に合わせて、バスケのテクニックを見せる競技です。5年前に、ナイキさんが主催するストリートバスケのイベント、「FREE-STYLE-CLASH」で、準優勝したときは、とても嬉しかったです。
4.将来の夢は、マラソン選手
一番嬉しかった部活の思い出はなんですか。
やっぱり、高校のときに、ユニフォームをいただいた事ですね。すごい選手ばかりだったので、ユニフォームを着れることは無いだろうと思っていたんですけど、一度でも着ることが出来たのは、とても嬉しい想い出です。
中高生の頃どんな女の子でしたか。
部活ばかりで、ほとんど休みが無かったので、遊びに行った記憶がありません(笑)。 朝昼晩、バスケと筋トレばかりしていました。
その頃は、大きくなったら何になりたかったですか。
大人になったら、バスケをやりながら、マラソンの選手になりたいと思っていました。高校のときも、陸上部に入部したいと思ったくらい、走るのが大好きだったので、陸上部の顧問の先生に、大会だけ出させて下さいってお願いしたこともあったんですが、当然それは許可されなくて、大人になったらマラソンやるぞ!って思っていました(笑)。
勉強はどうでしたか。
部活をやっているときは・・・って感じだったんですけど、部活を引退してからテストを受けたとき、学年で2位になったんです。
かなり勉強したんですね。
授業中に寝なくなったんです。 部活をやっていたときは、授業中眠くて仕方なくて、起きていられなかったんです(笑)。
5.筋肉痛を好きになれ!
部活というと、やはり“つらい練習”ですが、つらい練習から逃げずに向き合うコツってありますか。
私は、筋肉痛が大好きなんです。「筋肉痛で動けない~!」って思いながら動くのが大好きなんです。
それは、すばらしいアドバイスですね! 確かに筋肉痛が好きになれれば、つらくないですもんね。でも、僕の場合、筋トレは大好きなんですが、走るのが大嫌いで、そんな走る事が嫌いな部員にアドバイスするとしたら。
全力で走りきった後の、気持ち悪くなる感じが好きになれれば、走るのも好きになると思います。
それはなかなか難しいですね。今度機会があったら試してみます(笑)。 ところで、バスケのように団体競技の部活に入ると、やる気のある部員、無い部員など、様々なテンションの部員がいると思いますが、どのように部活をまとめていましたか。
中学では、私が一番バスケが上手だったので、試合なんかでは、周りの部員が私に気を使っていました。小さい頃から試合で負けるのが大嫌いだったので、試合になると人が変わったようになるんです(笑)。 自己中心的な性格だったんだと思います。だから私がまとめるというより、中学でも高校でも先生を中心にしてまとまっていました。
中高生にとって、部活をするって大切だと思いますか。
大切だと思います。何かに挑戦して、燃えることって大事じゃないですか。
今までの人生の中で、部活をやっていて良かったなって思えることってありますか。
たくさんあります。今、フープダンスをやれているのも、小さい頃からの積み重ねがあってなので、中高でバスケをやっていなかったら、フラフープとも出会っていないかもしれませんし、今まで経験してきたスポーツは全て今のフープダンスに活かされています。
6.ターニングポイント
Mixさんにとって、今までの人生の中で一番のターニングポイントをあげるとしたら、いつでしょうか。
先ほどもお話した、東京タワーで行われた、ナイキさんが主催するストリートバスケのイベント、「FREE-STYLE-CLASH」で準優勝したときです。その大会を切欠に、今まで自分がやってきたスポーツで、こんな見せ方もあるんだと気がついたことで、仕事として成り立つようになったので、そこがターニングポイントだと思います。
7.中高生へのメッセージ
最後に、中高生へのメッセージをお願いします。
一人でも多くの中高生にフープダンスをやってほしいです! ていうより、やってください(笑)!
ありがとうございました。