YELL 部活応援プロジェクト [エール]

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2007年5月~2018年3月、日本を代表するトップアスリートのインタビューはこちら!

五郎丸 歩

ラグビー : ヤマハ発動機ジュビロ

今回のアスリートインタビューは、ヤマハ発動機ジュビロにて活躍する、五郎丸 歩選手です。トップリーグにて2年連続シーズン得点王およびベストキッカーを受賞。来年2015年に開催されるラグビーワールドカップにてトップ10入りを目標に活動する五郎丸選手に、自身の中高生時代のお話や、全国の部活動で活動する中高生に向けて、お話をうかがいました!

花園で優勝する事が全ての高校時代

五郎丸選手は小学生時代、サッカーで福岡選抜にも選ばれたことがあるそうですが、なぜラグビーを始めたのでしょうか。

兄が二人いるのですが、サッカーよりもラグビーの方が男らしいんじゃないかというアドバイスとプレッシャーをいただいたのが理由です(笑)。

五郎丸 歩

お兄さんが二人ともラグビーをされているとのことですが、三兄弟全員がラグビーというのには何か理由があるのですか。

両親が二人ともラグビー好きということもあって、家の近くにあったラグビースクールに兄弟揃って全員一緒に入れられたのがきっかけなんです。

五郎丸 歩

ちなみに、他のスポーツをやってみたいと思ったことは。

本当はアメリカンフットボールをやってみたかったのですが、九州にはチームが無かったので、ラグビーは中学までにして、高校は部活をやらず、大学生になったら趣味程度にアメフトをやってみたいと思っていました。

五郎丸 歩

しかし、ラグビーの強豪校である、佐賀工業高校に進学されましたが、どのような気持ちの変化があったのですか。

一つ年上の兄が佐賀工業高校ラグビー部に入部したこともあり、自分も先生から誘われたのがきっかけです。

五郎丸 歩

強豪校で活動する部員にインタビューをすると、その競技が好きかどうか忘れてしまうくらいキツイ練習をしていると伺うことが多いのですが、五郎丸選手の高校時代はどうでしたか。

同じくずっとラグビーの毎日で、親元の福岡から離れて隣の佐賀県で下宿していたので、ラグビー一色でした。

五郎丸 歩

ラグビーのどんなところが好きですか。

試合に入ると、恐怖心を忘れて無心で相手に突っ込んでいくというところが、仲間のため、チームのために、自分が体を張っているところが好きです。なかなか普通に生きていてもそんなこと無いですからね。

五郎丸 歩

好きとは言え、全国クラスの強豪校でキツイ練習を毎日やっていると、嫌いになったりしないですか。

普段練習をしているときは分からないのですが、たまにオフになると、「ああ、ラグビーやりたい!」って思うので、根本からラグビーが好きなんだと思います。

五郎丸 歩

ラグビーが好きだという気持ちと、強豪校に進学するというそれなりの覚悟を持って入部したからという事でしょうか。

佐賀工業高校ラグビー部の練習は、キツイキツイとは聞いていたのですが、でもそれほどじゃないでしょうという甘えた気持ちで入りました(笑)。 そしたらとんでもなくキツくて。

五郎丸 歩

どのくらいキツイのですか。

自分が知っている自分の限界をはるかに超えていく、1.5倍か、2倍かという感じです。

五郎丸 歩

以前、パナソニック ワイルドナイツの北川智規選手に取材させていただいたとき、高校時代のラグビー部の時、練習最後のメニューの走りこみで、部員全員が限界を超え、感極まって涙を流しながら走らないと練習が終わらないというお話を聞いたことがあるのですが、そのような感じですか。

それは無かったですけど、練習開始一番最初のメニューからトップスピードで走る練習があって、大学や社会人になると、走りこみの日、コンタクトする日、体を作る日というふうに分かれているのですが、高校ではそれら全てを毎日やるんです。最初の1時間は徹底的な走りこみで、100Mを10往復走って、それからグランドを3周。そして次にコンタクト練習を1時間、試合形式の練習を1時間、それからようやくそれぞれのユニットに分かれて、フォワードはスクラム練習をガンガン、バックスはスキルや1対1のタックルをやったりで、毎日3時間半から4時間くらい練習して、今では考えられないくらいコンスタントにきつかったです。

五郎丸 歩

それだけキツイ練習の毎日ですと、ラグビー選手として必要な体に大きくしていこうというのは難しいですよね。

当時はまだ栄養に対する知識も乏しかったですし、食べることよりも寝ることが先行していました。

五郎丸 歩

高校時代の嬉しかった思い出というと何でしょうか。

高2の時の国体で優勝して日本一になった事です。その年は、佐賀工業高校ラグビー部が佐賀県代表として国体に出場して、各県代表の優秀な選手が集まった選抜チームと対戦しての優勝だったので、本当に嬉しかったです。

五郎丸 歩

ラグビー漬けの高校時代、部活以外ではどんな男子でしたか。

休みの日が年間トータルで1、2週間程度しかなかったので、福岡の実家に帰るとか、下宿させていただいていた監督と一緒に銭湯に行くとか、ご飯を食べに行ってました。

五郎丸 歩

高校時代、ラグビー以外で興味を持ったことはありますか。

日々の練習で気持ちに余裕がなかったので、ラグビー以外のことはまったく考えられなかったです(笑)。

五郎丸 歩

高校時代の目標や将来の夢はなんでしたか。

目標である花園で優勝することが全てで、それ以外のことは考えた事がなかったですね。

五郎丸 歩

2015年ワールドカップ トップ10!

五郎丸選手が大学卒業後も、競技を続けていこうと決めた理由、また、きっかけは何ですか。

大学に入学した1、2年目にチャンピオンになったその頃から、卒業後もラグビーを続けていきたいと思うようになりました。それに、ラグビーは3才からやっているので、自分の強みであるラグビーを活かしていきたいと思っていました。

五郎丸 歩

五郎丸選手は日本を代表するラグビー選手ですが、ラグビーを続けていく中で大変だったことはありますか。

数年前に会社の縮小で、チームが存続の危機をむかえたことです。僕はプロ契約で今所属しているヤマハ発動機ジュビロに入部してきたのですが、会社の縮小にともないプロ契約も廃止されることとなり、プロ選手は移籍するかどうかで迷ったんです。でも、結果全員が社員として残ったことで、優勝争いができる今のチームがあると思っています。でも当時は精神的にかなり苦しかったです。一般的なトップチームは45人くらいの選手が所属しているのですが、チーム縮小に合わせて、35人くらいになって、シーズンで試合を重ねていくとケガ人が増えて、15対15の練習すら出来なくなったり、ケガ人を出さないために練習の強度を下げる等、苦しい状況でした。でも、チーム選手スタッフ全員が、ヤマハ発動機ジュビロで優勝しよう! という目標を持ち続け、その思いがつながっています。

五郎丸 歩

五郎丸選手にとって、現在の目標というと。

3年前に日本代表選手に復帰してから、副キャプテンとしてプレーしているのですが、ヘッドコーチのエディー・ジョーンズの、ファーストミーティングで、2015年のワールドカップで世界のトップ10に入るという大きな目標が掲げられたので、自分もトップ10に入るための世界レベルの選手にならなくてはと意識して取り組んでいます。

五郎丸 歩

五郎丸 歩選手から中高生へアドバイス

ここからは中高生へのアドバイスを頂きたいのですが、ラグビーを辞めたいと思ったことはありますか。

高2の時に一度だけあります。兄と一緒に出場していた花園で、雨が降る中ベスト4をかけた東福岡高校との一戦で、僕も花園に出場するのが初めてだったこともあり、舞い上がってしまい、ミスをして、結果大きく点差が離れてしまうきっかけを作ってしまったんです。試合もラスト5分になって敗戦が決まってしまったとき、兄が泣きながらプレーをしていて、ずっと兄の背中を追ってラグビーをやってきたのに、兄にもチームにも申し訳ない気持ちになって、でも負けてしまった過去は変えられないし、気持ちの持って行き場がなくて逃げ出したくなったことがあります。

五郎丸 歩

その時は、どのように乗越えたのですか。

花園が終わると新チームになるのですが、新チームになってすぐ、いつものものすごくキツイ練習の後に、僕一人だけ1時間さらにキツイ練習をすることになったんです。しかも一日だけかと思っていたら、それから1ヶ月くらいずっとその練習が続いて。自分のやり場の無い気持ちを、監督も分かっていて、何か言葉をかけることよりも、みんなの前でキツイ練習をさせ、精神的にタフにしてからチームに戻してあげようという計らいで、僕も気持ちが戻ることが出来たんだと思います。

五郎丸 歩

上手になる為には、厳しい練習がつきものですが、厳しい練習と上手につきあうコツはありますか。

スポーツはなんでも、欠点を指摘するよりも、良いプレーをした時にお互いにほめてあげる事が大切だと思います。ほめられると、ポジティブになったり、楽しいと思えますから。

五郎丸 歩

五郎丸選手は試合前に緊張したりしますか。

良い緊張感はありますけど、ネガティブな緊張感はないですね。もしネガティブな緊張感があるとしたら、自分がやるべき事の理解が薄い時だと思います。試合を想定した練習をしてこなかったとか、実力以上の能力を発揮しようと思うと変に緊張すると思うので、事前の準備が大切だと思います。

五郎丸 歩

五郎丸選手にとっての今後の目標、夢は。

3才からラグビーを始めて、色々な人たちに支えられてここまで続けてこられたので、2015年が終わってからは、ラグビーを始めたい子供たちにラグビーの魅力や楽しさを伝えていけたらと思っています。

五郎丸 歩

最後に部活に励む中高生にメッセージをお願いいたします。

2019年にはラグビーワールドカップの日本開催が、2020年には東京オリンピックがあります。大きな舞台を目指して部活に励んでもらえたらと思います!

五郎丸 歩

ありがとうございました。

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