バスケを始めたのは、大好きなお姉ちゃんと一緒にいたいから
09-10 Wリーグ優勝おめでとうございます。レギュラーリーグ、セミファイナル、ファイナルと、一年間を通じて常に高いパフォーマンスを発揮し続けてこられた吉田選手ですが、バスケットボールを始めたきっかけは何だったのでしょうか。
家族全員がバスケをやっていたというのもあったんですけど、いつも私は大好きな姉のマネばかりしていて、バスケも姉と一緒にやりたくて始めたのがきっかけなんです。
中学、高校を通して一番の部活の思い出は何ですか。
高校3年の時にインターハイで全国優勝した事が一番の思い出です。私が中学3年生の時は全国にもいけなかったので、同級生と「高3になったら全国優勝したいね」って話していて、インターハイ決勝での思い出は自分の中でもずっと残っていくものかなって思います。
その中でも特に思い出に残っているシーンはありますか。
試合最後の何分間かは少し点差が離れていたので、スタートで出場することが出来なかった3年生と一緒にコートに立てた瞬間が、私の中で一番嬉しかったです。
吉田選手が中高生の頃、部活以外ではどんな少女だったんでしょうか。
バスケは得意だったんですけど、勉強は苦手でした(笑)。部活が無い休みの日は友達と池袋に行くことが多くて、カラオケをしたりしていました。
中高生の頃から、将来はバスケットボールの選手になろうと思っていたんですか。
中学生の時はまだまだ先のことだったので、将来のことはまったく考えていなかったんですけど、高校生になってから、将来は実業団でプレーしたいと思うようになりました。
その頃の仲間とは、今も仲良いですか。
今でもよく連絡を取り合っていて、仲良しです。
試合に負ける悔しさを味わいたくないから、バスケ部を辞めてしまおうと思った中学時代
現役の中高生に向けて先輩としての立場でアドバイスを頂きたいのですが、部活動って中高生にとって大切だと思いますか。
私は東京成徳中学・高校のバスケ部だったんですけど、バスケをとても良い環境で学べたので、今の自分があるのも、中高で部活をやっていたからですし、振り返ってみたときに自分にとって部活は大切なものだったと言えます。
常に強い学校(部活)と、上手な部員がいるときだけ強い学校(部活)ってあるじゃないですか。常に上位争いが出来るような部活にしていくにはどうしたらよいのでしょうか。
中学も高校もそうですが、特に中学のときは練習量の違いが強さに影響すると思います。東京成徳中学では週に6日練習することが出来ましたし、高校生と一緒に練習をしたり、練習試合も多かったので、そういう環境の差が強さに影響するのだと思います。
部活(バスケ)を辞めたいと思ったことはありますか。
中学の時に何度かあります。試合に負けるのがともて嫌で、中学3年の時、全国大会にでることも出来なかったとき、こんなにつらい思いをするなら辞めたほうがいいなって、真剣に悩みました。
僕なんか練習がつらくて辞めたいと思うことは多々ありましたけど・・・、試合で負けるのがつらいから辞めたいって、すごいですね(笑)。
バスケが大好きだったので、練習がつらいと思ったことはありませんでした(笑)。どちらかというと、もっともっと練習したいと思っていました。
ダッシュとか、基礎練習も好きだったんですか?
さすがに基礎練はあまり好きではなかったです(笑)。練習中は、早く5対5(実戦形式の練習)をやりたいと思って練習をしていました。
ちなみに、部活を辞めずに踏みとどまれた理由はなんだったんですか。
東京成徳高校バスケ部の先生(監督)が、「高校で一緒にがんばろう!」と声をかけてくださったので、その言葉に心底救われました。もしそう言ってくださらなかったら、バスケを辞めていたかもしれません。
仲間と一緒に。 - 吉田亜沙美選手からの部活アドバイス
吉田選手に聞くのは間違いかもしれませんが、つらい練習から逃げずに上手に向き合うコツがありましたらアドバイスをお願いします。
つらければつらいほど、仲間と一緒につらい練習を達成できたという喜びがありますし、自分の気持ちに負けなかったという達成感もあると思うので、そういう考え方が出来れば、つらい練習もたのしく乗り越えられると思います。
中にはサボってしまう部員もいると思うのですが、そういう人には声をかけたり、引っ張ったりしますか。
サボっている人は、そこまで上手になりたくないのかな・・・って思うので、一度は声をかけますけど、それでもサボるようなら、ほっておきます。
バスケというと団体スポーツですが、様々な考えを持った部員と一つのチームを作り上げ、向上していくにはどうしたらよいでしょうか。
私が高校のときはインターハイで優勝するというのが一つの目標で、それに向かってチームのまとまりが良く、達成できたと思うので、目標を持って、日々気持ちを継続させながら練習を積み重ねることが大切だと思います。
目標を決めた日はテンションが高くても、じょじょにモチベーションが下がっていく部員もいると思うんですけど、そういう場合はどうしたらよいでしょうか。
同級生どうしで声をかけてあげることが大切だと思います。「何のために練習してるの?!」って。
顧問の先生(コーチ)の情熱も、その部活の強さに影響すると思うのですが。
そうですね。私の中高時代のバスケ部の先生は、バスケが大好きだったので、ちょっとのミスでもスゴイ怒られましたし、とっても熱い先生でした。
吉田選手は試合前、緊張はしますか。良い対処法がありましたら、教えていただきたいのですが。
すごく緊張するので、私が教えてもらいたいくらいです(笑)。でも緊張はほぐれないですけど、いい緊張感を持てるように、いつも決まった音楽を聴くようにしています。
理想的な先輩のあるべき姿って、どんな感じですか。
言動と行動が一緒じゃないと、後輩もついていけないので、それが大事だと思います。
JOMOサンフラワーズ
サンフラワーズは、常に強いチームですが、他のチームとの違いがあるとしたら何でしょうか。
私が入団して2年目に、無冠で終わってしまったシーズンがあったんです。オールジャパンも取れず、リーグもファイナルで負けてしまって、選手全員がとても悔しい思いをしました。その悔しさを常に忘れず、日々の練習に持ち続け、毎年「二冠」を目標に練習しているんですが、その意識の差が少しずつ結果に現れてきているのかなと思います。また選手全員が負けず嫌いなので、接戦の試合でも気の強さの差が勝利に結びつくのだと思います。
バスケットボールの選手として、サンフラワーズの選手として、吉田選手が一番大切にしている事は何でしょうか。
相手の目を見て挨拶することを大切にしています。自分が大好きなバスケットボールを続けていられるのも周りの人たちの支えがあってのことですし、試合ができるのも相手チームがあってのことなので、常に感謝の気持ちを忘れずに挨拶することを大切にしています。
吉田選手はサンフラワーズのムードメーカーですよね。
そんなことは無いと思います(笑)。常に全員が声を出ていますし、チーム全員がムードメーカーです。
チームとしての目標は二冠ですが、個人の目標は何でしょうか。
技術的にもレベルアップしていきたいですし、サンフラワーズにとって欠かせない選手になりたいです。
ちなみに、オフシーズンは会社の仕事をしているんですか。アメフトや、ラグビーなど、多くの社会人スポーツでは、オフシーズンに所属しているチームの会社で仕事をしている事が多いそうなんですが。
私たちは広報部に所属しているので基本的にはバスケットをすることが仕事です。なのでオフは仕事という仕事はしていません。でも、リーグが終わっても、日本代表の活動がすぐに始まってしまうので、ほとんど休みはありません。
ターニングポイント
吉田選手にとって、今までの人生の中で一番のターニングポイントをあげるとしたら、いつでしょうか。
私が入団して2年目に、無冠で終わってしまったシーズンがあったんです。オールジャパンも取れず、リーグもファイナルで負けてしまって、選手全員がとても悔しい思いをしました。その悔しさを常に忘れず、日々の練習に持ち続け、毎年「二冠」を目標に練習しているんですが、その意識の差が少しずつ結果に現れてきているのかなと思います。また選手全員が負けず嫌いなので、接戦の試合でも気の強さの差が勝利に結びつくのだと思います。
最後に、中高生へのメッセージをお願いします。
大好きなことじゃないと続けられないと思うので、好きなことと、楽しさをみつけてください。また、好きなことがあったとしても、周りの人たちの支えが無かったら、自分ひとりでは何も出来ないので、仲間を大切にして、感謝の気持ちを忘れないで下さい。
ありがとうございました。