学ランを着たくてラグビー部に

伊達さん、富澤さんは、高校時代ラグビー部で活動していたそうですが、ラグビーを始めたきっかけは何ですか。

僕は小学生の時に大阪に住んでいたことがあって、親父に花園ラグビー場に連れていってもらったときに、当時強かった新日鉄釜石の試合を見て、カッコイイと思ったのがきっかけです。それとテレビドラマのスクール☆ウォーズ（1984-85年放送）の影響を相当受けてます。

スクール☆ウォーズは不良ばかりの学校に不妊した先生がラグビー部の顧問になって、熱血指導で最後に全国優勝するというアツいドラマでしたが、僕はちょっと見ていて恐かったイメージがありますけど。

ありますね。でもぶつかりあったり、男らしいスポーツでいいなって。

富澤さんはなんでラグビー部に？

学ラン着て、ビー・バップ（ビー・バップ・ハイスクール（1983-03年/週刊ヤングマガジン））みたいなかっこうをしたくて、でもそれだと親がダメだって言うんで、何か代わりの理由を探さないとってことで、「オレはラグビーをやりたいからその学校を受けるんだ！」って親を納得させて、学ランを着れる学校に入ったのがきっかけなんです。でも入ったら僕らの代からブレザーになったんです。入学した瞬間に夢も希望も無かったです。

ちなみにラグビーのどんなところに魅力を感じますか。

男くささというか、男にしかできないスポーツってところですかね。男子校だったんで、共学だったら違う部活に入ってましたね。

共学だったら何部に入るんですか。

中学までリトルリーグで野球をやってたので、野球部ですかね。うちの高校の野球部は甲子園にも出るぐらいの強豪で、入学して一度練習を見に行ったとき、ちょうど練習試合に負けて帰ってきて、バットの本数分グランドを走らされていて・・・ バット、ものすごい数あるんですよ。ムリだなと思って、ちらっとラグビー部を見たらものすごく楽そうで、まだ夕方にもなっていないのに帰ろうとしている人がいて、即決しました。

ラグビーの知識もまったく無く入ったんですけど、授業に出ない日も部活だけ行ったりして、仲間と会うのが楽しかったというのが一番の理由ですかね。それとスクラムで相手チームと口ゲンカしたり。「お前何年だ？！」ってw。

部活の思い出というといろいろあると思いますが。

遠征で泊まりで試合に行ったときに、先輩がふざけてオレの背中に昇り龍を油性マジックで描いて、次の日の試合で負けて、くやしくて泣いているヤツもいるなか、忘れて着替えていたら、その昇り龍が出てきて、みんな大爆笑して勝ったチームみたいな雰囲気になってたことがありましたね。

部活をやっていて嬉しかったことってなんですか。

先生がいろいろ免除してくれたことですね。「お前はラグビー部だからな」って。

逆にキツかった、つらかったことって。

練習はキツかったですね。ランパスだったり、スクラム練習で肩から血を流しながらスクラムマシーンを押したり、富澤を肩車してのスクワットとか・・・

強いチームからしたらぬるいのかもしれないですけど、それでも練習はキツかったですね。

きびしいコーチとか監督に指導されてたんですね。

コーチがいなかったんですよ。それに監督もルールを知らない人で練習にも来ないから基本的に先輩が教えていたんです。

スクール☆ウォーズだったら１００対０で負けたら、くやしい！ ってその後強くなりますけど、僕らは１０１対０で負けましたけど強くならなかったですね。

花園予選があって、石巻工業という花園常連の高校と１回戦であたったとき１０１対０で、試合の途中で、「もうやめてくれ、棄権できないか？」って言ったんですけど「それはダメだ」って言われて、当たりにいくのも怖いから、最後までどうぞお通り下さい状態でしたw。

やっぱりコーチがいないと強くなれないですよね。

戦術が何も無くて、「ああいうプレイがあるんだ」って試合中に関心したりしてw。

３０個限定のコロッケ

部活以外ではどんな男子だったんでしょうか。

自由な校風で男子校だったので、恋愛なんてまったく他人事で、授業中にみんなトランクスになっている状況で。

友だちと遊んでいるのがとても楽しかったですね。基本的に異性がとても気になる年頃だから、つき合っているやつがいると、女子ってどんな感じなの？！ って情報を仕入れることに熱心でしたw。

勉強と部活との両立はどうしていました。

そもそも僕なんかは商人になりたくて通ってたわけではないので、商業科目はまったくわからなかったですね。

簿記、そろばん、マーケティングとかがあって、基本的に家が自営業のやつが来ていて、僕らはそこしか行けなかったから行ってただけなので、まー興味無かったですね。

ぜんぜん理解できなかったです。でも当時は恐い先生がいて、問題ができないと帰さないって言って、放課後ずっとやっていたんですけど、時には12時過ぎて日付がかわったりして、それでもわからないものはわからないので、そのうち答案用紙を消しすぎて、破れて問題までわからなくなったりして、最後は友だちに見せてもらって帰ったってのがありましたね。

楽しいこともあったんですよねw。

母親が作ってくれた弁当を食べたあと食堂でまた食べるというのが楽しみでしたね。それと朝は１個50円で限定30個だけコロッケを売るんですよ。でもそこには先輩後輩のルールがあって、一年生は食べられないんです。二年生になると最後の方にちょっとだけ食べれて、三年生になると食べれるんです。それが楽しみでしたね。

部室にかけてあった先輩の学ランを着て、上級生のふりをして買いに行ったことがありますw。

食べてばかりですねw。

そうですね。朝はコロッケ食べて、昼はお弁当を食べた後に食堂に行って、部活が終わったら、学校のそばのパン屋さんで食べてから帰るっていうね。食べるのが楽しみでした。

福祉に目覚める

その頃、将来こうなりたいとか、夢はありましたか。

夢も希望も無いです。学ランも着れないしなんでこんな学校に入ったんだろう・・・ってw。でも高３になったら先生が何かアドバイスしてくれるだろうと思っていたら、そんなのまったくなくて、そのまま卒業になっちゃたんですよ。だからバイトでやっていたピザ屋でそのままフリーターで働いてました。

僕は就職したかったんですけど、遅刻を120回以上してて、そんなやつに紹介できる就職先は無いって言われて、福祉に興味があったので医療系の専門学校にいったんです。

福祉に興味があったんですか。

動機は不順で、女の子の友だちを作ろう！ って言ってボランティアに行ったのがきっかけだったんですけど、行ってみたら仕事の内容に感動しちゃって、その後僕は福祉の仕事を５年間やっているんですよ。

お笑い芸人を目指したきっかけは。

基本ダメ人間なんで、朝早く起きるのも嫌だし、サラリーマンになるのが嫌で、マンガ家とか、写真家とか芸能人もいいな〜って思っていたんですけど、なり方がわからなくて、そんな時に、地元仙台でお笑いの劇場が出来て、芸人募集みたいなのがあったので、受けてみたら受かったのでそこで活動していたんですよ。でも一年半位でその劇場が無くなっちゃって、伊達を誘って東京に行ったんです。

何もあてが無く東京に行って不安とかは無かったんですか。

若かったから無かったですね。楽しいことばかりで。

近所に散策に行ったりして、合宿の延長線上みたいな感じで。

サンドウィッチマンから中高生へ

コンビを結成してからはどうでしたか。

とにかく僕らはテレビに出るまで７年かかって、売れるきざしはまったく無く、ずっとアルバイトをしながら、よくやったなと思います。でも30才になって今年ダメだったらあきらめて帰ろう。だから一年間一生懸命やってみようかって、そしたらエンタの神様に出させてもらえて辞めずにすんだんです。

部活で出会った二人が成功するっていいですね。

部活をやってなかったら出会ってないし、友だち関係からスタートしたコンビなので、それはよかったですね。

最後に中高生へのメッセージをお願いいたします。

男は30才の時に何をしているかだと思うので、それまでは何をしてもいいと思うので、自分がやりたいことを見つけてほしいですね。

将来の夢がある人はなにも恐いことは無いと思います。でもほとんどの中高生がまだ将来の夢がなんだかわからないと思うので、いろいろ経験して自分にあったものがみつかったらそれにすすめばいいです。焦る必要な無いですね。でも勉強はしておいた方がいいです。父親になったときに、子供に聞かれて答えられないとハジをかくのは自分ですから。

ありがとうございました。