YELL 部活応援プロジェクト [エール]

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2007年5月~2018年3月、日本を代表するトップアスリートのインタビューはこちら!

安間 佐千

フリークライミング : プロフリークライマー

今回のアスリートインタビューは、2012年フリークライミング・ワールドカップリード種目年間チャンピオン、安間佐千選手です。リード種目とは、岩の出っ張りやポケットなどだけを利用して登るフリークライミングという競技の中の一つの種目で、12m以上の高さをもつオーバーハングした壁を登るスポーツ。中高生の部活ではあまり聞いたことがないが、大学などではあり、自然を相手にした、とても魅力的な競技です。人とは違う、新しい何かを探している中高生読者に必見のスポーツです。

安間佐千選手とリードクライミング

安間選手が、リードクライミングを始めたきっかけは。

中学に入学する前の春休みの頃、父の山登り友達が経営するクライミングジムに行ったのがきっかけなんです。小学校の時にサッカーと水泳をやっていたんですけど、あまり上手じゃなくて、モチベーションもあんまり高くなくて、そんな時に、クライミングと出会って、これ面白そう! って。

安間 佐千

中高生時代は、帰宅部だったんですね。

いえ、中学の時は陸上部で、高校の時は山岳部で活動していました。でも、入部するとき先生に、「僕はクライミングのための練習の一環として走りたいのですが、入部させてもらえますか」って許可をもらって活動していたので、陸上部の部員として大会に出ることはほとんど無かったです。

安間 佐千

様々なスポーツがあるなかで、リードクライミングのどこに、魅力を感じたのでしょうか。

魅力はたくさんあるんですけど、魅力の一つとして、自然との良いつながりを感じながらできるところです。自然って良い感じしますよね。

安間 佐千

ちなみにリードクライミングってクライミングの中の一つの種目なんですよね。その他にどんな種目があるんですか。

競技だと、ボルダリング、スピードクライミング、アイスクライミングと4種目あります。

安間 佐千

リードクライミングの活動をしていく中で思い出というと。

ついこないだ、ワールドカップ最終戦直後のスペインの岩場での事なんですけど、最終日にトライしていた岩の一つのルートに何度かチャレンジしていて、基本的に一日に2、3回チャレンジすると、体力的に厳しくなるんですけど、その日は5回トライして5回目で登れたんです。今までの常識が覆ったというか、無理だと思ったことが可能になったことで、クライミング以外の日常でも、それを感じられるようになって、見える景色が変わりました。

安間 佐千

ちなみに高校生時代だと、どんな思い出がありますか。

2005年、高校1年生の時に初めて出場したワールドカップの上海大会でのことなんですけど、世界で活躍する選手のプレーを見て、こんな登り方があるんだって感動して、同時に、自分にもそうなれる可能性があるんだって感じて、一気に視野が広がりました。

安間 佐千

クライミングの練習って、どんな感じなんでしょうか。他の部活、スポーツと同じように、監督やコーチがいて、体力的にキツイこともあるんですか。

つらくも出来ると思うんですけど、コーチは、僕がやりたいことのサポートをしてくれる役割なので、練習の時から自分で自分を判断することを大切にしています。だからつらいと思ったことは無いですね。

安間 佐千

高校生の頃は部活以外では、どんな男の子でしたか。

どうやったら強くなれるのかばかり考えていました(笑)。

安間 佐千

プロフリークライマーの素質があるから

安間選手がプロフリークライマーを目指したきっかけは。

「素質は元々備わっているものだから、なろうと思ってもなれない」と僕は思っています。だから自分にクライミングの素質が備わっていると思ったときがきっかけです。でもそれは、始めた瞬間にわかったわけではなくて、長い時間の中でわかったことで、努力が全てで、今に至るとは思っていません。

安間 佐千

安間選手はリードクライミングのワールドチャンピオンですが。

ワールドカップにチャレンジして、総合優勝するまでに7年かかりました。自分の中ではけっこう長くて、いろいろなことを考えました。一昨年前までは、「お前は世界チャンピオンになれる素質があるんだ」と言われても自己否定していました。「それは僕には備わっていないよ」って。でも今年(2012年)は、そう思えて優勝しました。結局7年間引っかかっていた否定から解き放たれたとき、ワールドチャンピオンになっていたんです。

安間 佐千

今年(2012年)そう思えるようになったのは、何か要因があるんですか。

一昨年前、今まで上がり続けていた成績がことごとく落ちたんです。それまで何でもかんでも完璧主義で、自分ができることは全部やって、努力して、全てをやりつくした一昨年前に、結果がともなわなかったんです。あれ? って。だからそれからはつらいことよりも、自分がやりたいことをやるようにしました。

安間 佐千

安間佐千選手から中高生へのメッセージ

安間選手の今後の目標、または将来の夢は。

何人かのクライマーで、その人がやったことがクライミングになっていくという事があるんですけど、僕自身がやったことがクライミングになること、歴史や存在になれたら気持ちいいと思っています。それには極められていないと肯定されないと思うので、まずはそこを目指しています。

安間 佐千

最後に、部活に励む中高生へ、メッセージをお願いします。

クライミングを好きになる人がどれだけいるかはわからないですけど、一度経験してみたら、とても良い経験になると思います。“歩く”とか“走る”とか“泳ぐ”とかの動詞はよく経験していても、なかなか“登る”という動詞は経験していないと思うので、上に登るというのもナチュラルな事なので、それを経験すると世界が変わると思いますので、ぜひ!

安間 佐千

ありがとうございました。

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